ネガ
薄明かりの下 この霞み行く目では
嗚呼 貴女の顔まで歪んで
その傷口にも気付くことができず
ただ 絶え間なく積み重なる声から
耳を塞いであげることしかできません
ようやく紡ぎ出した言葉で
貴女を傷つけることしかできないなんて
月明かりの下 この薄れ行く手では
嗚呼 貴女の顔まで歪めて
その雫さえも拭うことができず
ただ 惜しみなく注ぐ光のように
頬を包んであげることしかできません
RETURN